この文章は、 ozark@clever.net さんの許可をいただいて、 小久保温が訳したものです。 その関係上勝手に転載などはできませんのでご注意ください。
アレクサンダー・エヴェレットによって設立されたマインド・ダイナミックスは、 気づきのトレーニングための 大人数のグループ(気づきのセミナー: Large Group Awareness Training: LGAT とも略す)の先駆者だった。 ほんの数年間しか存在していなかったのに、 確かにそれは一連の同じようなトレーニング業の発火点になった。
アレクサンダー・エヴェレットは、 1962 年にイギリスからアメリカにやってきて、 ミズーリに行った。 「ユニティ(Unity)の牧師になることが自分の天命ではなかったと決断し、 彼、アレクサンダー・エヴェレットは、 1963 年にミズーリを去った、 そして、私立の寄宿制の学校の設立を助けてくれるように依頼され、 テキサスのフォート・ワースに行くことになる。 彼はテキサスに 7 年間滞在する。 彼は、 テキサスでフォート・ワース・カントリー全日制校の設立を助けただけではなく、 もっと重要な 1968 年にマインド・ダイナミックスを設立するという 仕事を成し遂げた。 マインド・ダイナミックスは、 体験的なヒューマン・ポテンシャルのトレーニング機関で、 1970 年代から 80 年代まで隆盛を極めた est やライフスプリング(Lifespring)や アクチュアライゼーションズ(Actualizations) や、 その他さまざまなヒューマン・ポテンシャルのトレーニング機関の先駆者となった。
アレクサンダーは、イギリスを去って以来、 探求し続けてきたスピリチュアルで個人的な成長のためのさまざまな方法を発展させて、 マインド・ダイナミックスを打ち建てた。 直接影響を受けたものとして、彼は、エドガー・ケイシーの著作、神智学、薔薇十字、 エジプト学、 シルバ・マインド・ コントロール、 そしてもちろんユニティを挙げている。 それらをマインド・ダイナミックスのコースに取り入れたとき、 まず自分が心のはたらきを取り扱うトレーニングを開発したいと思っていたこと、 そして我々が心を象徴する宝瓶宮の時代(アクエリアン・エイジ)に生きていることを、 彼は知っていた。 だから、彼は、組織の名前に「マインド」という単語を入れようと思ったのだ。
とても体験的な 4 日間のトレーニングは、 彼らが最初にはじめたテキサスではなく、 カリフォルニアで急速に広まり、 アレクサンダーはそちらに住むように招かれた。 この結果 1970 年にマインド・ダイナミックスの本部は、 サン・フランシスコに移った。 しかしながら、コースに興味が寄せられたのは、 カリフォルニアからだけではなかった。 組織が存在していた 4 年間の間、 コースは合衆国中とヨーロッパとオーストラリアで催された。
それを振り返ってみて、アレクサンダーは、 組織があまりに急速に大きくなりすぎたと感じていた。 それは、彼が最初に意図してたものよりも大きくなっていた。 そして、しばらくすると、 彼が起用したダイナミックな若いスタッフたちが、 組織を運営するようになっていった。 アレクサンダーは、若者をトレーナーとして抜擢した。 彼らはしばらくすると 1970年代にカリフォルニアを、 後には国中に広がることになる ヒューマン・ポテンシャル・ムーヴメントのリーダーになった。」
マインド・ダイナミックスは成功し、ウィリアム・ペン・パトリック (William Penn Patrick) の関心をひきよせた。 彼は、化粧品を販売するホリディ・マジック(Holiday Magic)と呼ばれる ピラミッド・セールスの組織を持っていた。 そしてまた、リーダーシップ・ダイナミックス(Leadership Dynamics)として知られる トレーニング組織も持っていた。 彼は、ディストリビューターの追加のトレーニングとして使うつもりで、 1970年にエヴェレットのトレーニングを買った。 マインド・ダイナミックスは、 シルバ・マインド・コントロールのような自己催眠の非対決的なコースだったが、 リーダーシップ・ダイナミックスは強くぶつかり合うグループ・エンカウンターだった。 この両方のトレーニングの影響が、後のトレーニング組織には見られる。
ジーン・チャーチ(Gene Church)の 『ザ・ピット -- 穢されたグループ・エンカウンター (The Pit, a group encounter defiled)』(絶版)によれば、 ウィリアム・ペン・パトリックのリーダーシップ・ダイナミックスの トレーニング組織は、その方法をコントロールできていなかった。 リーダシップ・ダイナミックスも、マインド・ダイナミックスも訴訟事件が起こり、 ほとんど閉鎖されてしまった。 ホリディ・マジック MLM は、 そのピラミッド型の販売形式のために摘発された。 ペン・パトリックは、サクラメントの航空ショーで、 自分の F-86セーバー戦闘機をクラッシュさせて死んでしまった。
リーダーシップ・ダイナミックスとマインド・ダイナミックスが閉鎖されたとき、 何人かのインストラクターは独立した。
彼らのうち 4 人(ボブ・ホワイト(Bob White)、ランディ・リーヴェル (Randy Revell)、シャーリーン・アフレモウ(Charlene Afremow)、ジョン・ハンレイ (John Hanley))が 1974 年に ライフスプリング(Lifespring)を 設立し、心理学者のジョン・エンライト(John Enright)とともにライフスプリングのトレーニングを開発した。
また、ワーナー・エアハード(Werner Erhard)は 1971 年に est を設立し、 それは フォーラム(The Forum) に発展した。
ボブ・ホワイトはライフスプリングを去り、日本に行って、 ライフダイナミックス(Life Dynamics: 現アーク・インターナショナル: ARC International LTD) と呼ばれるトレーニング組織を始めた。
ランディ・リーヴェルは、ライフスプリングを去り、 コンテクスト・トレーニングス (Context Trainings)を設立した。
シャーリーン・アフレモウはエアハードの組織にトレーナーとして参加した。 彼女は後に、対立してこれを去り、今はライフスプリングに戻っている。
ハワード・ニース(Howard Nease)はパーソナル・ダイナミックス(Personal Dynamics)を設立した。
ジム・クウィン(Jim Quinn)はライフストリーム(Lifestream)を設立した。
トーマス・ウィルハイト(Thomas Willhite)は、 PSIワールド・セミナーズ (PSI World Seminars: 日本では「サイセミナー」)を設立した。
スチュワート・エメリー(Stewart Emery)は est で働いた後、 アクチュアライゼーションズ(Actualizations)を設立した。
ウィリアム・ペン・パトリックのトレーニング組織は、 復活して、現在ではリーダーシップ・ダイナミックスとして知られている。
LGAT の発展に影響したものには、これ以外に ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill)の『思考は現実化する(Think and Grow Rich)』、 ナショナル・トレーニング・ラボ (National Training Lab: 略してNTL) (これ自身に関して議論 になっていることもある)、 エスリン研究所から来たジョン・エンライト、 そしてゲシュタルト療法によって開発された体験的なエクササイズなどがある。
ジョン・エンライト(1929-2004)は、心理学者、トレーニング開発者、地球主義者。 心理学の学位は、イェール大学でA.B.を、カリフォルニア大学バークレー校でPh.Dを取得。 ゲシュタルト療法の創始者フリッツ・パールズに学んだ後、1973年に心理学の分野を去り、 個人成長セミナーのフォーマットを作るのを手伝うようになる。 ゼネラル・モータース、ウィルソン・ラーニング、ライフスプリング、 ライフダイナミックス(日本)、Be You(日本)、カナダ政府、エサレン研究所などの トレーニングを計画する指導的なトレーニング・デザイナーとなった。 1973から1979年まで、彼はARCセミナーの創設者をしていた。
アレクサンダー・エヴェレットは、智彗への探求を続けて、 1974 年には東洋の哲学と宗教を学んだり経験したりするために ロシアとインドに旅行した。
1977年に、彼はインワード・バウンド(Inward Bound)を教え始めた。 彼はこれに今日までにもっとも長い時間を費やしていることになる。 エヴェレットのインワード・バウンドの 2 日間のセミナーは、参加者が 個人の成長を楽しみ、自分の真の才能を発見するために費やされる。 彼はまたカセットテープに入れたプログラムも開発した。
情報源:
1) ニュー・リアリティ(New Realities)誌、 1987年 5/6 月号、 ニール・ヴァール(Neal Vahle)による 「アレクサンダー・エヴェレットとコンプリート・センターリング (Alexander Everett and Complete Centering)」という記事。
2) アレクサンダー・エヴェレット年譜 (Alexander Everett Biography)(訳註・リンク切れ)
3) alt.fan.landmark へのビル・ウェスト(Bill West)、DJ パーシィ(DJ Percy)、 リンダ・チェース(Linda Chase)の投稿に感謝します。
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原文は、 http://perso.wanadooo.fr/eldon.braun/awareness/mind.htm に置かれています。 この文書は、小久保温が、 ozark@clever.net さんに 許可をいただいて翻訳したものです。 その関係上、勝手に転載などはできません。 原文には、多くのリンクが埋め込まれておりましたが、 リンク切れになっているものが大変多かったので、適宜削除しました。 なお、翻訳の間違いなどを発見された方は、ご連絡いただければ幸いです。 連絡先はkokubo@aomori-u.ac.jpです。
いくつかのポイントになる事項を解説します。
ユニティ(Unity)
キリスト教系(と言っていいものやら)のニュー・エイジ的な新興宗教の一つ。 創始者は、スピリチュアルなことに興味のあったチャールズ・フィルモア (Charles Fillmore)とメソジスト(プロテスタントの一派)だった マートル・フィルモア(Myrtle Fillmore)。 二人は、新興宗教のクリスチャン・サイエンス(Christian Science)を出て、 1889 年にユニティをはじめた。 ユニティは、ニュー・エイジの特徴的な考え方である、「すべてはひとつ」、 「人間は何か心に関係している潜在能力を持っている」などの思想を持っていた。 そして、Unity という名のごとく、三位一体(Trinity)を廃し、 個人が精進することで内なる神性が開花し、 神と一体化できるといったような体系の宗教だった。 ちなみに、エヴェレットが行ったというミズーリに、ユニティの本部がある。
シルバ・マインド・コントロール(Silva Mind Control: SMC と略す)
ホセ・シルバ(Jose Silva)のはじめた潜在能力開発セミナー。 マインド・コントロールという語にはよくないイメージがあるため、 現在ではシルバ・メソッドと名乗っている。 人間は、自分の能力のほんのわずかしか使っていなくて、 このセミナーではその潜在能力を引き出せるようになるとかいう主張を行なっている。 一種のイメージ誘導や自己催眠を利用してα波を作り出すという方法。 極めれば、 ESP も使えるとも主張しているが・・・。
具体的なシルバ・マインド・コントロールの内容に関しては、 宮崎 学著、『シルバ・メソッド』、 経営書院、 1999 年、 ISBN 4-87913-703-0が詳しい。
なお、エヴェレットのマインド・ダイナミックスは、 シルバ・マインド・コントロールにかなり似たセミナーだったようだ。 そして、受講することで人間の潜在能力を引き出すことができると主張し、 目覚ましなしに目を覚ますことから、ガンが治るということまで、 およそ何でも可能になるという宣伝していた。 後に、ライセンスなしに医療行為を働いたとして、検挙されている。
F-86セーバー戦闘機
日本でも戦後、自衛隊に多数導入されたジェット戦闘機。 パトリックの趣味は、ヴィンテージものの軍用飛行機を集めたり、 飛ばしたりすることだった。